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清と濁

大切なかたが逝った。

会社員時代の社長、そして親友の父。

会社を離れたところでも、お会いさせていただく機会があった。

親友の父とはいえ、一介の会社員である僕にとっては雲のうえのかた。

親友の結婚式では、わざわざご挨拶をいただいた。

プライベートな会食にもお招きいただいた。


受け容れることが大切だ。

清濁併せ呑む勇気が必要だ、たとえ濁っていると解っていても。

そのように助言をいただいた、その時の空気感、いまでも鮮明だ。

その言葉は、僕の明訓であり続けている。


豪快にカッカッカッと笑い、相好を崩す。

いたずらをされ舌を巻く。

それらの人間らしい温かなしぐさしか記憶にない。


八十年という時間は充分なものだったのでしょうか。

ご生前のご厚情に深く感謝するとともに、

ご功績を偲び、心からご冥福をお祈り申し上げます。


立石義雄さまの訃報に接し  2020.04.21

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